部下は自分で考えて仕事を行ってくれるのが理想です。
しかし、指示しないと仕事しない部下、あるいは指示したこと以上の事はしない部下は必ずいます。
本人の特性によるところもありますが、入社してからもずっと指示したこと以上の事が出来ない部下のままなら上司の指導に問題があります。
私も、どちらかと言うと指示待ち部下が増える傾向の指導の仕方に陥っていました。
変えられない人の特性だと考えてしまっていましたが違いました。
指示待ち部下を自発的に考えて行動する部下にするには、どうすれば良いのでしょうか。
自発的に行動しない部下
最初から自発的に行動してくれる人もいれば、言われるまで何もしない人もいます。
指示待ち人間
会社では指示されるまで、何もしない人をこの様に揶揄します。
指示待ち人間は指示した以外の事はしません。
仕事に慣れてくると、ある程度の決められた作業は行ってくれる様になります。
しかし、それ以上の事は行ってくれません。
問題は見て見ぬふり
指示しないと行動しないので仕事に問題が有った場合でも報告してこず、放置されます。
もちろん、問題が有ったら報告する様に指導すれば報告してくれますが状況が少しでも違うと報告してくれません。
結果、部下を通して問題を発見できなくなります。
この状態では上司の仕事は捗りません。
部下を完全に監視する必要があるためです。
全て指示する問題点
全てを思ったようにコントロールしたいと言う上司も居ます。
しかし、現実には部下全員を直轄指示するのは不可能です。
ロスが大きくなる
部下全員に絶え間なく指示するのは部下の人数が一人しか居ないのでもない限り不可能です。
また、指示している間は上司、部下の両方の仕事は停滞します。
指示する回数を減らさないと仕事が停滞する回数が多くなります。
また、上司には自分の仕事もありますので常に全員の部下を監視する事も不可能です。
このため、部下の仕事に問題が有った場合には発見されるまで仕事が停滞します。
これらの事によって仕事が停滞する時間的な損失が多く発生します。
部下が自分で考えなくなる
指示する事によって部下は仕事の答えを貰っている状態になります。
何をすれば良いかの答えを貰っているので部下は自分で何をするべきか考えなくなります。
自発的に行動している部下であっても詳細を全て指示し続けると自分で考えなくなっていきます。
聞けば上司が全て決めてくれると考える為です。
人は何でも楽しようとします。
考える事は、意外と疲れる作業のため聞けば済むとなると考えなくなってしまいます。
自発的に行動させるには
自発的に行動させるには今、何をするべきかを考えさせなければなりません。
そのためには何をするべきかを考える事を教える必要があります。
教えるのではなく育てる
教える事と育てる事は似て非なる物です。
教えるとは答えを直接与える行為です。
ですが、育てるとは答えを導き出すのを助ける行為になります。
何の知識もない状態では何をするべきかは解りません。
最初は基礎知識を教える必要があります。
しかし、教えた知識を使えば答えが導き出せる状態になっている相手に答えを教えるのは考える能力を奪います。
答えを教えるのは手っ取り早いですし、仕事も素早く進みます。
しかし、毎回答えを言っていれば部下は育ちません。
育てるには相手が答えを導き出すのを待つ必要があります。
上司は、この待つと言う行為が出来ない事が多いです。
上司は答えを知っており尚且つ忙しいので手っ取り早く答えてしまいがちです。
ですが、育てる事が出来ればその答えを次から言う必要は有りません。
これは、将来の答える時間全てを削減できると言う事になります。
結果的に仕事が早く済むには、育てる方が良い事になります。
自分で考えさせる育て方
基礎知識が有る部下が相談していた場合には
「どうすれば良いのか」
を聞いてあげ、答えを導き出すのを待ってあげます。
場合によっては教えた知識のどれとどれを使うのかまではヒントを出しても良いでしょう。
相手が答えを導き出すのを待つため、この部分は時間が掛かります。
上司には答えを言ってしまわない忍耐が必要になります。
ただし、何度も言いますが基礎知識が有るのが前提です。
郵便ポストの存在も知らない部下に(実際に私の部下に居ました)郵送の方法を自分で考えさせても一生答えは出ません。
基礎知識が無い相手に「どうすれば良いのか」を聞くと、相手は教える気がないと受け取ってしまいます。
これでは、信頼関係を損なってしまいますので注意が必要です。
基礎知識があるか解らない場合は、その部分を確認すると良いでしょう。
まとめ:部下を指導して自発的に仕事をさせるには
- 自発的に行動しない部下は問題も報告してくれない
- 全て指示して行動させるのはロスが大きすぎる
- 自発的に行動させるには自分で考えるように育てる
- 基礎知識がある部下に「どうすれば良いか」を聞いて考えさせる
- 上司は部下が答えを導き出すのを待つ忍耐が必要
部下が指示待ち人間のままなのは上司の指導方法に問題があります。
勿論部下によっては直ぐに自発的に行動する様になる部下も居ます。
ですが、なかなか育たない部下も居ます。
なかなか育たない部下は面倒な存在かも知れませんが上司の育てる能力を養ってくれます。
どんな部下でも優秀な部下に育てられる上司になる為に、育たない部下にこそ時間を掛けて向き合うのをお勧めします。
その他の未熟な部下の指導育成に関する記事は、こちらにまとめてあります。
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