「最近の若い社員は常識も知らない」
とは、よく聞くベテラン社員の言葉です。
ですが、人が社会の常識を知るのは社会人になってからですし。
更に狭い会社の常識を知るのは入社してからです。
新入社員教育は毎年受け持っていますが、常識を知っていた事は皆無です。
うちの会社があまりに底辺だから、そんな社員しか来ないんだろうとは思いません。
普通は知らないのだと思います。
彼らは学生時代の常識しか知りません。
なので、スムーズに仕事を覚えてもらう為にも、最初は社会の、会社の常識を覚えてもらう必要が有ります。
よくある誤解
私が面談時に直面した新入社員の問題点の数々です。
毎年、この手の会話をする羽目になっています。
うちの会社の通過儀礼ですね。
何でも教科書通り
私も意地悪なので、最初の面談の第一声は
「何でこの会社に入社したの?」
です。
すると答えは面接時の志望動機をつらつら喋られます。
「御社を希望したのは云々~」です。
新入社員は面接や面談時に「こう聞かれたら、こう答える」見たいなことを習います。
私も学校で習いました。悪しき習慣ですね。
新入社員から本心を聞くのにも一苦労です。
最初の会話はこう続きます。
私「本当のところはどうなの?うちみたいな業種の会社に入社するために学生時代は努力して来たって事かな?」
新入社員「いえ、そこまでは・・・」
私「学生時代が終わって、とりあえず就職しないといけないからウチを選んだ感じ?」
新入社員「そうです」
私「評価と関係ないから、ここから後はそういう風に素直に答えてくれた方が良いよ」
この会話の要点は新入社員にテンプレート的な会話が通じない事を解ってもらうためにしています。
苛めている訳ではありません。
これから、腹を割って話そうと言う時に相手が本心を言わないのでは始まりません。
会社の辛い部分や苦労する部分(残業がどのくらい有るとか、最初はどういう扱いだとか)
それらを話すのに、相手が本心で喋っていないと「解りました」と答えていても後々「そんなの嫌です」とか言われて問題になります。
上下関係を知らない
運動部出身でもない限り、最初は上下関係を知りません。
友達の様に話しかけられたりする事もあります。
最近は礼儀知らずは見かけなくなりましたが、上下関係の意味が解っている人はほぼ居ません。
「上司の指示には絶対服従です」なんて言ったら目が点になります。
勿論、冗談混じりで言っているのですが、真実です。
追加で、「自分の身に危険を感じる指示以外は必ず実施してください」
と説明します。
この、上下関係を誤解無く知っておいてもらわないといけません。
上司と部下の関係や、誰に報告すべきか等を正しく理解してもらえません。
お願いと指示の違いが解らない
これは、解っている新入社員は皆無です。
「上司の指示はお願いでは無いので拒否できません」と言っても最初は理解してくれません。
ですが、早めにこの事を説明しておくと後の混乱は少なくなります。
「拒否は出来ませんが、出来ない理由を言うのは有りです」
と追加で説明しておきます。
もちろん、出来ない理由を言われたら出来るようにする指導が待っている訳ですが。
これらの事は学生時代の友達と先生以外での人間関係しか知らないから起こるのだと思います。
初期の間に会社では違う事を知ってもらいましょう。
誤解を解くには先ず面談
誤解が発生するたびに指導するのも良いのですが。
最初に面談で一通り説明しておくと、納得してもらい易くなります。
1対1で根気よく説明
会社での常識の中で特に解っていなさそうな上下関係と指示とお願いの違いや会社のルール等は面談で説明しましょう。
納得したかを確認して、納得していなさそうなら上下関係が何故あるのか、指示に従わないと駄目なのはなぜかを根気よく説明しましょう。
ここで納得してもらわないと、後で指示を無視されたり問題が起きます。
相手は誤解しているのが前提で話す
先にも書いた通り、常識を備えた新入社員は皆無です。
その部分も教育するのが私たちの仕事です。
「そんな事も知らないのか」
と言ってしまわずに。
「こういう場面では、こうするべきだ」
と教えてあげましょう。
丁寧に教え続けると、学生らしさが無くなる頃には感謝されたりします。
まとめ:新入社員の教育方法のコツ
「年々新入社員の質が落ちてくる」
とボヤク年配の方も居られますが、私たちも新卒の頃は同じような感じだったと思います。
(こう言うと「まだましだった」と怒られますが)
皆、最初は何も知らないものです。意思疎通のすれ違いを無くすためにも先ずは常識を知らないのを前提に話して、誤解を解いてあげましょう。
これ以外の新入社員の教育方法は、こちらにまとめてあります。
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