職種毎に労働時間の平均は違います。
残業が常態化し易い職種もあれば、ほぼ定刻で終業できる職種もあります。
しかし、その職種の形態によらず長時間労働が常態化している企業もあります。
俗に、ブラック企業などと呼ばれていたりします。
そういう企業から転職した際に気を付ける事は何でしょうか。
長時間労働を行う企業の問題点
長時間労働を強いる企業には仕事が長時間に及ぶが故の問題点があります。
仕事の密度が薄くなる
長時間労働を強いている企業は、労働時間で企業の利益を補おうとしています。
残業代が固定だったり無かったりする企業の場合は特にその傾向があります。
残業代は定時勤務より割増しで賃金を払う必要があるので、普通に残業代を支給している企業では残業は余分なコストと考えます。
余分なコストと考えるので業務を効率化して短時間で済ませられるようにする改善が行われます。
しかし、残業代を払わない企業の場合は余分なコストと考えません。
そのため、企業側に労働時間を短縮する意義が薄れます。
そうなってくると仕事は全て時間で解決するようになります。
人は休息しないと能力が落ちてきます。
能力が落ちた人が長時間の労働で仕事を終わらせる。
この図式になると、時間当たりの仕事効率は下がる一方になります。
結果、だらだらとした仕事が長時間続くようになります。
しかも悪い事に勤務している人には、だらだらしているようには感じられません。
長時間労働を強いる会社の中では通常の企業に比べて密度の薄い仕事が長時間行われてしまっています。
人間関係が悪くなる
人は休息が取れないとイライラし易くなります。
労働時間が長い職場は人間関係が悪い職場が大半です。
20代前半まで勤めていた工場では毎日12時間勤務が当たり前で、欠員が出ると15時間以上の勤務もあり得ました。
その職場では同僚同士の喧嘩や上司による部下へのパワハラが相次いでいました。
何社か務めて思いましたが、労働時間が長い職場ほど人間関係は険悪です。
長時間労働を行うと、疲れ果てて他人を気遣えない様になってしまっているのです。
長時間労働で身に付いてしまう悪癖
長時間労働は企業が強いています。
しかし、長い間務めていれば慣れてしまいます。
特に初めて勤めた会社がそうであった場合、社会の常識を勘違いしたままの人も出てきます。
仕事が効率よく出来ない
仕事には納期があります。
納期は数日に渡るものからその日の特定の時間までに行うべきものも含まれます。
しかし、長時間労働の会社では終わるまで業務を続ける事が出来ます。
人は仕事においてもペース配分を行っています。
長時間労働が基準だと、どうしてもペースを落として仕事をしがちです。
このペースを落とした仕事の仕方に体が慣れてしまいます。
結果として、仕事を効率よく出来ない体になってしまいます。
他人を気遣わないのが普通になる
長時間労働が原因の場合に限ったことではありませんが会社での人間関係の悪化は、以降の会社のイメージに付きまとうようになります。
ブラック企業に勤めた人が企業という存在自体を否定するのはそれが原因の一つでしょう。
この手の人は、勤めていた会社だけでなくブラック企業に勤めている人の事も悪く言い出します。
長時間労働を強いる企業が優良な企業でないのは事実です。
だからと言ってどんな企業も悪い訳ではないですし、勤めている一人一人の気持ちも解りません。
長時間労働を強いる会社に勤めた事そのものは、どんなに企業を責めても就職した本人の責任です。
攻撃的な発言は、仕事をしている間に他人を気遣う事も、自責の念も忘れてしまった証です。
再就職時に気を付ける事
転職を行い長時間労働から抜け出せたとしても、上記の悪癖が身についてしまっている可能性があります。
再就職後に職場で気を付けることは何でしょうか。
仕事密度が濃くなる事を覚悟する
おそらく、今度は就職活動で労働時間の短い職場を選んだはずです。
労働時間の短い職場。
所謂、ホワイト企業と言われる職場は仕事内容がハードな場合が殆どです。
ホワイト企業は短い労働時間で利益を出しています。
つまり、短い労働時間で長時間労働と同じ仕事をこなしていると言えます。
こういった職場に転職すると仕事に付いて行けない事がままあります。
仕事の速度もそうですし、問題への対処、改善等を行う企業文化にも付いて行けない可能性があります。
仕事に付いて行けない可能性を考慮し、一から学び直すつもりで再就職する必要があります。
協調性と当事者意識を身に着ける
自分の過去を振り返って学生時代より攻撃的になったと感じるなら要注意です。
長時間労働のストレスによって思いやりや協調性を失った可能性があります。
また、確かに前の企業は悪かったかもしれませんが今回の企業は違うかもしれません。
悪い企業に居た間に何でも会社のせいという考え方が身に付いているようなら、責任感が欠如していると思われてしまいます。
普通、仕事は企業の利益に向かって社員全員が一致団結して行うものです。
つまり全員目的は同じなので協力できない訳がありません。
話がかみ合わなかったとしても、結果を出すための考え方の違いでしかありません。
当然、これは話し合いで解決できます。
他の従業員は敵ではないのです。
また、仕事での問題は自分が少しでも関わっている部分は自分にも何らかの責任があります。
この少ししか関わっていないことに対して自分の問題と受け止める感覚を当事者意識と言います。
他人事になってしまっては問題は問題でなくなってしまいます。
つまり、当事者意識のある人にしか問題解決は行えません。
協調性と当事者意識を失ったままでは、どんな企業に勤めても仕事は上手くいきません。
まとめ:労働時間が長いから辞めたい時は
- 長時間労働の企業に勤めると身に付く考え方がある
- 効率的な仕事と他人との協調が上手く出来なくなる
- 転職した場合、この考え方が問題になる場合がある
- 協調性と当事者意識を再び持てるようにする
ブラック企業に勤めた事も確かに経験になります。
しかし、「朱に交われば赤くなる」という言葉にあるように悪いものだと思っていても影響は受けてしまいます。
本当に悪いものだと思っているなら、その影響は全て無くしてしまわなければいけません。
ブラック企業の事は忘れ、新しい職場に一から学び直す姿勢で挑む事をお勧めします。
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