業務時間外は仕事の事は考えたくない。
私もそう思っています。プライベートは大事にしたいし、部下が仕事時間を過ぎても会社に残るのは良く思いませんし注意して早く帰らせます。
とは言っても、私も昇進出来たのは仕事時間外も自分の業務についての勉強をしていたからです。
新しい事に取り組むときは会社で教えてくれるのを待っている訳にもいきません。
教えてもらう以上に学ぼうとする姿勢の方が大事だと考えています。
仕事の時間が終わったら全く仕事の事は考えないという姿勢は、大変危険です。
しかし、上司としてはパワハラとかもあって指摘しづらいです。
私も指摘しづらいので、面談でのアドバイス程度に留めています。
昔、部下から面接でこういう質問が有りました。
「金型の構造については複雑なので会社で勉強会を開いてもらえないか」
学ぶ姿勢が有って良いと思います。
しかし、私の部署は金型の構造は知っていると仕事上有利だが、絶対必要な知識ではない。(金型を使う側の部署でメンテナンスする部署でないため)
と言う立ち位置です。
なので大々的に勉強会を開くのは上司の許可が得られませんでした。
この事を伝えると
「じゃあ良いです」
と言って、その後も金型の構造については勉強しないままでした。
最終的に、この部下は他の人との金型の構造知識の差を悩むようになり退職しました。
この様な事が有っても、会社が教育に時間を割かないのは何故なのでしょうか。
教えるのは義務ではない
研修や講習は会社の義務ではありません。
多くの新入社員の方が勘違いしている事実について書いています。
研修は会社のため
昨今は、大抵の会社では新入社員研修等の会社の業務を習得させる勉強会があります。
即戦力化する事もそうですが、取り合えず業務に順応させるのにも有効です。
私の会社でも6カ月にわたって行われます。
ですが、これは会社側が新卒社員を戦力化する為に行っている事です。
学校では学業を教えるのが学校側の仕事になります。
しかし、会社では会社毎の果たすべき義務があり新入社員の研修は、その義務を達成するための手段の一つです。
業務目標を達成するのが義務
会社は何かのサービスで顧客を満足させて対価を得ています。
この、顧客を満足させて対価を得るのが仕事です。
顧客を満足させる方法を新入社員に教えるのが新入社員研修となります。
新入社員研修は業務ではありますが義務ではないため、新入社員を絶対に教育しなければならない訳ではありません。
教えなくても顧客を満足させられるなら会社は仕事をしている事になります。
新入社員側は教えてもらえるのを当たり前だと思っているかも知れませんが、そんな事は全くありません。
むしろ「教えなくても仕事が回るなら教育は必要ではない」と考えている人も居ます。
私は思っていませんが、社員の中には教育している間は通常業務が行えないので教育を無駄なコストと考えている人は一定数居ます。
教えきれない事もある
また、どんなに新入社員教育をしても業務の全てを教えきれません。
教える側が、教える内容を全て列挙する事は出来ます。
ですが、新入社員側が覚えきるのを待つ時間は有りません。
有りませんし覚えるのを待つ気も会社にはないと思った方が良いです。
先にも書いた通り教育自体は会社の本来の目的とは違います。
そして、後は仕事をやりながら覚えてもらおうとなります。
そのやりながら教える時でも、教えている相手が覚えるのを待ってくれる会社は有りません。
会社は本来の目標や業務にリソース(時間、人、物、金)を割こうとするので、必然的に教育は最小限になります。
これらの理由により、十分な知識を得るには自発的な勉強が重要になってきます。
覚える事が少ないうちは業務に集中する事によって賄える可能性もあります。
しかし、通常は時間と共に覚える必要のある事(責任)は大きくなっていきます。
最終的には業務時間内に全てを習得する事は不可能な状態となってしまいます。
出来ない自分を許せるか
研修を受けさせる、受けさせないを会社側で選別している場合を除いて。
同条件で仕事にあたらせている場合は、自分が学ばなかった事で人との差がつくのは自己責任だと思います。
他人も同じ条件で働いているのですから。
周りとの比較
業務時間外で全く勉強しなかった場合。余程の単純作業でない限りは、周囲の多少でも勉強する人との間に仕事の出来栄えや効率で差が出始めます。
これは、最初は些細な差ですみます。「ちょっと仕事が遅い」とか「資料の出来具合がいまいち」とかで済みます。
ですが何カ月、何年と経つうちに「全然仕事が間に合わない」とか「資料作成は任せられない」とかになります。
これは、経過した月日に比して与えられる仕事の量や責任が増すためです。
入社3年目の社員に入社1年目と同じ仕事力を期待する人は居ないと思います。
そして「なぜ自分は他の人より仕事が出来ないんだ」と本人は悩み始めます。
差がついてからなら尚更多く学ぶ必要が有ります。
しかし、会社では教育の時間を特別に設けることは無いでしょう。
それでも会社以外で勉強する事が無いなら差が埋まる事は有りません。
こうして仕事が出来る人と出来ない人の差は月日と共に絶望的に広がってしまいます。
興味を持てるかどうか
ここまで書いた事で
「じゃあ、働いて尚且つプライベートでは勉強して会社に尽くせという事なのか」
と思うかもしれませんが、そんな大層な話ではありません。
よほどの大企業でトップ争いでもしているのでない限りは
自宅に帰ったら寝る間も惜しんで勉強
なんて事は必要になりません。
要は、その日に仕事で疑問に思った事を仕事時間外でも学んで解決する気が有るかどうかです。
これには5分程度の短い時間で上司に質問して帰る。
朝10分だけ早く来て先輩に今日の業務について疑問に思っている事を聞く。
この程度の事が出来るかどうかと言う事です。
就業時間外は仕事じゃないんだから完全に仕事の事は頭から締め出す。
ここまで極端に考えるのは危険だと言う話です。
ですが、知識は日々の積み重ねです。
毎日5分の差が大きな差になってしまうという事を理解してほしいのです。
まとめ:仕事の時間外にも勉強した方が良い
- 会社は教える事を仕事としていない
- 学ぼうとする姿勢が大事
- 少しの差が大きな差になる
特に新卒の人は学校での授業の経験から何でも教えてもらえると錯覚しがちです。
ですが、会社は教える事もコストだと考えており出来るだけ教育(コスト)を抑えようとしてきます。
確かに日々の疑問を業務時間外で解決するのは苦痛かも知れません。
しかし、仕事は人生の中で大きな時間を占めています。
その大きな時間の中にある疑問を解決するのは、明日からの人生に大きな意義を生み出します。
この記事以外の仕事を覚える事に関する記事は、こちらにまとめてあります。
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