プレイングマネージャーは増えていると聞きます。
私も主任時代はプレイングマネージャーでした。
ですが、それゆえに色々弊害が出ていました。
今でも部下のフォローのために実務を行う事はあります。
ですが、自分から実務を買って出る事はありません。
実務は部下に責任を持ってやらせています。
プレイングマネージャーとして弊害が出たのは何故なのか。
どうすれば防げるのかを書いています。
プレイングマネージャーとは
何社か転々としている私ですが、「この役職はプレイングマネージャーです」という会社は見た事が有りません。
チームが結果を出すのに有利なやり方として自然発生したものだと感じます。
実務と管理を引き受けている人
チームは上司から目標を渡されています。
私の場合は工場だったので「生産効率~%以上」とかです。
この目標に対して結果を出すためにマネジメント=管理に専念すると人手不足による弊害が出る場合にプレイングマネージャーが生まれます。
私の場合、部下は4人いましたが5人で作業しないと作業量が多すぎるとの考えから、主任として管理と実務を兼任していました。
最初はプレイングマネージャーの場合が多い
昇進した場合に同時に全く別の部署に異動にでもならない限り、最初は以前の仕事を少なからず行うと思います。
この状態がプレイングマネージャーで、徐々に引き継いでいってマネージャー専任になる形が多いと思います。
一人だけ突出して能力が高くて昇進した場合に、チームの牽引役として昇進後も実務を行う場合もあります。
能力が高いと言う事はチーム内の実務の大半を担ってきたはずなので、いきなり管理のみ行うようになるとチームが目標を達成できなくなるからです。
プレイングマネージャーの弊害
チームが目標を達成するために生まれるプレイングマネージャーと言う役割には問題が多いです。
あくまでも一時的な立ち位置と考えなければ問題が長期化してしまいます。
実務寄りに仕事をしてしまう
管理と実務のどちらが得意かと言われれば、プレイングマネージャーは実務の方が得意なはずです。
元々実務で優秀だったから昇進したのなら尚更でしょう。
人は得意な事が有ると、そちらを優先してしまいがちです。
また、実務はやった分だけ成果が出ます。
管理は成果が直ぐに見える形で出ない場合が殆どです。
それ故に、プレイングマネージャーは管理を疎かにすることが大半です。
上司から言われた最低限の管理業務をこなして、後は全て実務に回してしまっているプレイングマネージャーが多々います。
そして私も実務優先で立ち回ってしまっていました。
部下の言葉が聞けなくなる
実務も管理もするプレイングマネージャーはチーム内で一番忙しくなります。
忙しい人間に話しかけたい人は居ません。
特に部下の場合は話しかけづらいと報連相を躊躇ってしまいます。
仕事を遮ると叱責されそうなので、当然です。
この状態になると部下は気軽に相談できません。
チーム内の問題で部下が発見した分は報告されなければ上司は解りません。
なので問題は放置されてしまいます。
また、忙しい上司は部下の状態を見る事も出来ないでしょう。
これによって部下のフォローも行えなくなります。
報告を聞いてもらえず、フォローもしてもらえない。
この状態では部下との信頼関係の構築は不可能です。
結果として上司と部下の間に溝が出来てしまいます。
上司側がいくら「忙しそうでも報告してくれ」と言っても、忙しくて受け答えが雑になっては同じことです。
管理と実務では管理が大事
徐々にマネージャーに専念できるように仕事をしないといけません。
出なければチームが本領を発揮する日は一生来ません。
チームである以上、リーダーは必要です。
プレイングマネージャーはリーダーとして中途半端になってしまいがちです。
実務で一番になる必要はない
上司であると言う責任から実務も一番にこなそうと考えると、常に実務優先になります。
ですが、大事なのはチームの力を引き出す事です。
チームが最大限の力を発揮している状態は上司のあなたが実務をしなくても部下だけで実務が出来る状態を指します。
上司が実務を行っているという事は、その分の実務は部下には渡りません。
逆を言えば部下は上司の実務分だけ手抜きが出来る事になります。
人は仕事を与えられたり指示された時はその分だけこなせばいいと考えます。
それによって成長が止まってしまいます。
上司が実務を行っている間、部下の成長を止めているのは上司本人になります。
ずっと仕事をさせていれば勝手に成長する人は稀です。
大抵は必要に迫られて成長します。
上司が実務を一番行っている限り、部下の成長はありえません。
実務を徐々に部下に引き継ぐ
一気に部下に全部の仕事を渡すのは無理かもしれません。
しかし、「ちょっと負荷が大きいかも」と思う程度には引き継いでいきましょう。
それによって上司側の実務を減らしていきます。
上司は減った実務の分だけ、部下の報連相を余裕を持って聞いたり引き継いだ仕事のフォローを行う事に時間を割きます。
元々は上司1人で行っていた仕事なので、部下の人数分に割れば一人頭の仕事量は少なくなります。
その増えた分、部下を成長させるのが最初の上司の仕事です。
信頼関係を築く
引継ぎで減った分だけ部下の仕事のサポートや指導、教育に時間を割きます。
また、部下に指示した際の不満、不安等への対応にも時間を割きましょう。
仕事を渡された部下は最初は不安を感じている場合が殆どです。
「自分がどうやって行っていたか」を通じて部下の不安を解消していきましょう。
部下の報連相への対応に時間を割き、対応速度が上がってくると部下が小さな事でも報告してくるようになるはずです。
小さな事でも報告してくるようになるのは「自分の意見を聞いてもらえる」と言う安心感が出来始めた証拠です。
ここで些細な事を報告してくることを突っぱねたりせずに、最後まで聞いて対応できない場合は理由を説明しましょう。
最後まで聞く事で部下の信頼は高まります。
対応出来ない理由は部下の教育になります。
こうして部下との信頼関係を築いていけば、自然と部下だけで仕事を行うようになってきます。
「困った事が有れば上司に相談すればフォローはしてもらえる」
と言う安心感から、多少の無理は受け入れられるようになります。
また、信頼する人からの指示は無条件で聞いてもらい易くなります。
「あの人が言うから意味があるんだろう」
と思ってもらえるからです。
信頼関係を築くのは上司が部下を扱えるように成るにあたって最も重要な部分です。
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まとめ:プレイングマネージャーの役割とは
- 昇進後はプレイングマネージャーの場合が多い
- 実務で一番頑張ると部下が成長しない
- 部下の話が聞けないと信頼関係を築けない
- 実務を渡して部下を成長させ、信頼関係を築くための時間を作る
私の体感ではプレイングマネージャーはチームが二人とかの少人数でない限りは不要だと思います。
と、思いながらも「プレイングマネージャーを経験しておくのも良い」とも考えます。
仕事を引き継ぐ際には少なからず両方の仕事をする機会があるからです。
主任から係長になる時も、係長から課長になる時も中間の期間は必ずあります。
その際に両方行うのは大変と思わずに済みます。
ですが、いつまでもプレイングマネージャーなのは問題です。
チームを育てて更に結果を出すためにプレイングマネージャーから専任マネージャーに成れるようにチームを運営する事をお勧めします。
この記事以外の上司として部署を管理する事に関するまとめ記事はこちらになります。
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