私もどちらかと言うと一方的に指示する上司でした。
チームのミーティングでも一方的に話してしまっていました。
これによってチームの信頼関係を損なっている事に気付いたのは、上司となってから随分後になります。
当たり前ですが、部下との間には信頼関係がある方が仕事が上手く行きます。
信頼関係の中に心理的安全性と言う物が有ります。
チームの結果を左右する心理的安全性とはどういう物なのでしょうか。
生産性を左右する心理的安全性
チームの生産性を左右するのは個々の能力だけではなく、いかに協力し合うかです。
その協力関係を築くのに心理的安全性が必要になります。
心理的安全性とは
チームの中で自分が発言しても大丈夫とどれだけ思えるかの指標です。
拒絶されたり、笑われたり、叱責される事なく話せる状態が心理的安全性が高いと言う事になります。
具体的に数値化する事は難しいですが、チームがミーティングの際にメンバーが同じだけ発言するか等で知る事が出来ます。
つまり、ミーティングでチームリーダーが一方的に喋り続ける状態は心理的安全性が低いと言う事になります。
仲が良いのとは別物
心理的安全性が高いと意見交換が積極的になされます。
一見すると仲が良い事と同じに思えますが違います。
仲が良いだけでは生産性は上がりません。
仕事以外の事も話してしまい、ロスが生まれるからです。
仕事での心理的安全性が高い状態は、仕事と関係のある発言をしても大丈夫かどうかです。
仲が良いのとは似て非なる物です。
心理的安全性が低い弊害
チームリーダーは意識していないとメンバーの意見遮ったり頭ごなしに話しがちです。
これはリーダーの方が知識が多く、結果に対する責任感が高いために起こります。
知識が多い事で話の結果が解っていたり。
忙しいので答えだけ、さっと答えたくなるのです。
これによって心理的安全性が下がると問題が出てきます。
自発的に行動しなくなる
自分の意見を聞いてもらえない状態なので、メンバーは自分で考えなくなります。
発言しても遮られるか、すぐ答えてくれるのでメンバーはチームリーダーが全て決めてくれると言う風に考えます。
結果として、リーダーが全て決めなければならなくなります。
報連相をルール化する事でリーダーの元に情報は集まりますが、メンバーは情報を元に自発的には行動しません。
「こういう風にやっても良いですか」
と聞く事も出来ない状態だからです。
結果に繋がらなくなる
メンバーが自発的に行動しないので、結果が出なくなります。
リーダーがどんなに優秀でもメンバー全員に詳細な指示を出し続ける事は不可能です。
また、メンバーが発言し難い事によって受ける報告もリーダーから報告してくれと指示しないといけなくなります。
メンバーが自発的に必要だと思う情報をリーダーに上げてくれないからです。
リーダーの目の届かない所ではメンバーが自発的に動いてロスを防ぐものですが、この機能が働かなくなります。
結果としてロスの大きいチームとなってしまいます。
心理的安全性を高める対策
では、どうやれば心理的安全性を高められるのか。
話をよく聞く姿勢とメンバーに考えさせる発言が大切です。
話を最後まで聞いてから答える
メンバーの報連相は最後まで聞きましょう。
リーダーは忙しい、答えが解っている等の理由からメンバーの発言を遮って答えてしまいがちです。
最後まで話を聞いてから意見や答えを言う事によって、発言を拒絶されたと思われなくなります。
教えるのではなく考えさせる
仕事上での問題点を部下と相談する際には部下に答えを考えさせる必要があります。
リーダーはメンバーより経験豊富な事が多く、問題点を報告してきたメンバーに対して答えを言ってしまいがちです。
メンバーの報告に対して「どうすれば良いと思う?」と聞いてあげて答えを待ってあげる必要があります。
ただし、メンバーが考えれば答えを出せる場合に限ります。
全く基礎知識の無い事を聞きに来たメンバーに対して行うと「教える気がない」と言う風に受け取られてしまいます。
チームリーダーが弱みを晒す
リーダーはメンバーより優秀でないといけないと思い込みがちですが、出来ない事や苦手な事をメンバーと共有するのが有効です。
苦手な事を話す事により、メンバーも苦手な事を話し易くなります。
また、お互いの苦手な事を意識する事により相手の苦手部分をフォローする意識が生まれます。
仕事では「出来ない」「苦手」と言い難いものです。
リーダーが率先して「~が苦手だ」と言う事でメンバーも言い易くなります。
また、リーダーが苦手な事を知る事でメンバー側がリーダーをフォローしようと言う意識も出来ます。
まとめ:心理的安全性の高い職場の作り方と方法は
- 心理的安全性とはチーム内で発言しても安心と思える指標
- 心理的安全性が低いと自発的な行動を阻害して結果が出なくなる
- 心理的安全性を高めるにはメンバーの話を聞いて考えさせる。
- リーダーが率先して弱点を話して弱点を共有する。
メンバーが発言しても安心な環境を作るのが心理的安全性を高める事です。
リーダーは意識しないと、メンバーよりも率先して話してしまいがちです。
心理的安全性が高まるとチームは自発的に動き出して結果を出すようになります。
そのためにもリーダーは弱点を晒して頑張り過ぎず、メンバーの話を聞く姿勢を持つことで心理的安全性を高めるのをお勧めします。
この記事以外の上司と部下の信頼関係構築に関する記事は、こちらにまとめてあります。
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