部下が言う事を聞かない。
上司になって部下が出来た際に誰でも思い悩むことの一つだと思います。
部下が言う事を聞かない原因には知識的な要因と心理的な要因があります。
このうち心理的な要因は部下との信頼関係の構築不足が原因です。
それについては別の記事で詳しく書いています。
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ここでは、知識的な要因である指示の具体性の欠如の方について書いています。
正しく受け取られない指示とは
指示が正しく伝わっていなければ、業務は指示通りには行われません。
指示内容が欠如している
先日の班長との面談でこういった会話が有りました。
班長「○○君が指示しても書類を書いてくれません。何度も言うと書くのですが、今度は提出してくれと言っても提出してくれません。」
私「班長としては、いつまでに書いて提出してほしかったのかな。」
班長「その日のうちには出してほしかったです」
私「『今日中に書いて提出してほしい』とつたえましたか。」
班長「いえ、書いて提出してほしいとしか言いませんでした。」
と言う物です。
班長は書類を書いて提出する事は指示しましたが納期を指示しませんでした。
これは、班長側には指示されたら直ぐに始めるだろうと言う思い込みがあったのが原因です。
上司から指示されたら全てにおいて最優先とルール化されていれば別です。
しかし、そうでない場合は納期が指示されていなければ納期は指示された相手任せです。
上司と部下には認識のズレがある
部下が言うとおりに仕事をしてくれない場合の一部は上司と部下の認識のズレによって発生します。
指示する側は仕事の内容について、より具体的な指示の背景(誰が何を望んでいるか)が解っています。
つまり、指示する側は
どの様に行うべきか。
完成度はどの位が良いか。
いつ頃までに完成させるべきか。
これらが具体的にわかっています。
しかし、指示された側は指示された内容以外は想像でしか解りません。
想像は本人の経験次第で変わってきます。
部下は上司より経験が少ない事が多いため想像では補いきれせん。
これによって仕事を任された部下は想像したやりかたで、想像した完成度まで、想像した納期で取り掛かります。
そして、大抵の場合は指示した側の想定通りにはなりません。
ここで想定通りの作業を行う部下は指示の背景を理解していた事になり、「優秀な部下」だと思います。
指示通りに作業してもらうには
具体性を欠かない様にし、共通認知を積み上げれば指示通りに業務を行ってもらう事は可能です。
指示内容を確認する
部下が指示通りに作業を行わなかった。
その場合、部下が指示と違う行動を取った部分について、具体的に指示出来ていたか確認する必要があります。
私の場合、「どの様に行うべきか」では心配な場合、指示した後に
「どの様に行うか私に説明してください」と部下に伝えて内容を確認します。
また、「完成度はどの位が良いか」に関しては早めの納期を伝えて
「ここで一度、出来具合を見せてください」と伝えて経過確認します。
特に上司と部下で年齢や経験年数に差が大きい場合は、指示内容に対する認識のズレは大きくなる傾向です。
よく聞く「今の若い者は・・・」発言は、ここから来ているだと思います。
認識のズレは指示する側が埋める
この面談では班長は指示を聞いてくれなかった部下をしきりに『いう事を聞かないサボりがちの部下』と訴えてきていました。
しかし、部下の方は最終的には書類を仕上げて提出していました。
指示通りに業務が行われない場合には、指示した側が認識のズレを埋める必要があります。
これは、指示する側の方が経験豊富である事と、指示する側の方が指示に融通が利くからです。
自分の指示した時の内容を見つめなおして、あらぬ誤解で部下を貶めてしまわない様に気を付けましょう。
そうしなければ部下の側にも不信感がつのり、信頼関係が損なわれて本当に指示を聞かない部下になってしまいます。
まとめ:言う事を聞かないのは部下も上司も悪い
- 指示の具体性は具体的に出す必要がある
- 具体性を欠いた部分は相手の経験任せになる
- 部下と上司では経験が違うので認識にズレがある
- 認識のズレは上司の側が埋める
- 認識がズレたままだと不信感が積り信頼関係が損なわれる
部下が指示通りに業務をこなさなければ上司の仕事は増える一方です。
部下が居るから上司なので、上司は部下を指示通りに操れないといけません。
指示通りに業務を行わない部下を「いう事を聞かない」と貶めず、自らの指示内容に問題がないか見詰め直す事をお勧めします。
この記事以外の指示の仕方や部下のやる気を出す方法を、まとめた記事はこちらになります。
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