何十人と指導してくると、人一倍教育が難しい部下も出てきます。
所謂、使えない部下です。
どんな時でも上司は部下の指導を諦める訳にはいきません。
部下育成は上司の仕事だからです。
難しいからと投げ出せる仕事は職場に存在しません。
しかし、使えない部下を育てるのはデメリットばかりではありません。
使えない部下こそ育てた方が良い理由を書いています。
優秀な部下は勝手に育つ
逆に優秀な部下は育てる必要があるのでしょうか。
優秀なので、教育も必要最小限で済んでしまうはずです。
上司の育てる力が伸びない
優秀な部下は育て甲斐がなく、上司が介入すべき部分は少しです。
同じことを何度も言わせることもないでしょう。
こうなってしまうと、上司の部下を育てる能力が伸ばせません。
人を育てるには、単に教える知識があればいい訳ではありません。
育てる事そのものの技量も必要です。
育てる技量の中には、部下の成長を待つ忍耐力も含まれます。
直ぐに育つ部下ばかりを相手にした上司は、育つのを待つ忍耐力が育まれません。
部下との信頼が育めない
部下は、自分を育ててくれた上司を信頼します。
粘り強く育てる必要がある部下ほど、信頼関係を育む期間は長くなります。
長い期間育てるという事は、部下との信頼関係を気付く方法を身に着けるのにも最適です。
結果、優秀な部下からは得られない経験を上司にもたらしてくれます。
使えない部下ほど辞めにくい
上司が何らかの形で部下を退職に追い込まない限り、使えないといわれる部下ほど退職率は低くなります。
これは、部下が辞めても行くところがないとかのマイナスな要因だけではありません。
出来ない=伸びしろが多い
出来ない部下は、出来る部下よりも能力が低いので、当然伸びしろが大きい事になります。
伸びしろが大きいという事は成長期間が長いという事です。
仕事で自分が成長していることを感じている場合には人は仕事に対して前向きになります。
出来て当たり前のことをやってばかりだと仕事に飽きてしまうでしょう。
出来ない部下の方が、仕事に飽きにくく粘り強い仕事ぶりを見せてくれます。
成長途中は辞めにくい
人は成長感を感じている時は退職し難くなります。
これが所謂、やりがいです。
やりがいがあると退職されにくくなります。
部下にやりがいを与えると言うと、上司がやりがいのある仕事を与えると勘違いされがちです。
実際には部下が成長感を感じる仕事をやることによって、やりがいが出ます。
やりがいは周囲が与える物ではありません。
部下育成は平等に行う
部下育成は平等に行う必要があります。
出来ない部下を育てるメリットがたとえ無かったとしても、デメリットが大きいからです。
不平等だと信頼を損なう
部下は職場の不平等に敏感です。
出来ない部下だからと言って蔑ろにした場合、他の部下は上司を尊敬しなくなります。
部下の状況によって扱いを変える事は、他の部下から「次は自分かもしれない」と言う危惧を抱かせます。
また、部下育成を放棄している姿は仕事をサボっているように映るでしょう。
部下の方は出来ない部下の分まで仕事をこなしているので、上司が部下育成を放棄するのを許すはずがありません。
結果、出来ない部下以外の部下からの協力も得られなくなってしまいます。
どんな部下でも育てられる必要がある
上司の仕事には部下を育成する事が含まれています。
部下の状態や力量によっては育てられないというのは、対応力の無い上司と言う事になります。
部下は人間です。
一人として同じ人間はいません。
それ故に、同じように育てれば、皆同じように育つとは行きません。
この時に部下の育成を容易にするのが上司が今まで部下を教育してきた経験です。
部下をえり好みすると、部下育成をする経験が得られていない事になります。
結果、部下を育てられない場面が出てきてしまいます。
まとめ:使えない部下だと選り好みする方が無駄
- 部下が優秀だと上司の育てる技量が伸びない
- 部下の育成期間は信頼関係を育む期間でもある
- 出来ない部下の方が成長感が持続して退職しにくい
- 出来ない部下を蔑ろにすると、他の部下からの信頼を失う
- どんな部下でも育てる力量を得るために部下を選り好みしない
本来、中間管理職であれば部下を選ぶ事はできません。
部下が上司を選べない事と同様に、上司も部下を選べません。
部下が選べないのであれば、どんな部下でも同じように扱える必要が出てきます。
部下の育成に当事者意識をもっていれば、上司自身が問題解決を行うのが筋です。
それが解っていれば、部下によって育てるかどうかを考える事はないはずです。
部下の状態ではなく、自身の育成能力に磨きをかけて出来ない部下でも育てられるようになる事をお勧めします。
仕事が出来ない部下の扱い方をまとめた記事がこちらになります。
コメントを残す